熊谷市内で業務システムやITツールの導入を考えていても、「使える補助金があるのか」「どの窓口に相談すればよいのか」が分かりにくいことがあります。

2026年度は、熊谷市の産業DXプロジェクト、埼玉県のDXツール導入補助、国のデジタル化・AI導入補助金など、目的の異なる支援策があります。補助金だけでなく、導入する業務の整理やツール選びを相談できる窓口もあります。

この記事では、熊谷市内の事業者が検討できる主な制度を、2026年9月26日時点の公式情報に基づいて整理します。募集期間や要件は変わるため、申請前に必ず各制度の公式ページと最新の公募要領をご確認ください。

先に確認したい支援策

制度・窓口向いている取り組み2026年9月26日時点の状況
熊谷市産業DX推進事業地域の事業者に広がるDX、自社のDXプロジェクト12月31日まで募集。事前相談が必要
埼玉県中小企業DX導入支援補助金生産性向上につながるDXツールの導入第3期を9月30日16時まで受付
デジタル化・AI導入補助金2026登録されたITツールやクラウドサービスの導入通常枠の第5次締切は9月29日17時
中小企業省力化投資補助金人手不足を補う設備・システム導入一般型第8回は10月16日17時締切。カタログ注文型は随時受付
熊谷商工会議所の経営相談DXの進め方、業務のデジタル化、専門家相談DX推進員などの専門家相談あり
埼玉県DX推進支援ネットワーク課題整理、ツール選定、専門家派遣、補助金情報DXコンシェルジュに相談可能

熊谷市の「産業DXプロジェクト」

熊谷市は、市内事業者のDXを進めるプロジェクトを募集しています。審査で認定された事業について、ふるさと納税型クラウドファンディングを実施し、集まった寄附金をもとに市が補助金を交付する仕組みです。

対象は、自社のDXを進める取り組みだけではありません。市内事業者のDXを促進するプロジェクトも応募対象です。たとえば、一社だけの業務効率化にとどまらず、地域の事業者に効果が広がる仕組みやサービスは、制度の趣旨と合うか事前相談で確認するとよいでしょう。

2026年度の募集は12月31日までで、随時募集ですが事前相談が必要です。事業計画の実現性や継続性、市の産業振興の方向性との整合性などが審査されます。応募できる事業は1事業者につき1事業です。

この制度は、申請すれば一定割合が自動的に補助される一般的な設備導入補助とは異なります。市の審査で認定された後にクラウドファンディングを行い、最終的な補助金額は予算と、クラウドファンディングで集まった寄附額などに応じて決まります。募集要項では、目標額の上限をおおむね500万円とするクラウドファンディングに適した事業を想定していますが、これは一律の補助上限額を意味するものではありません。

システム構築の委託費、機械装置・サーバーなどの備品費、専門家謝金などが対象経費として挙げられています。対象経費や計画の条件は、個別の事業内容によって確認が必要です。

制度の詳細と応募書類は、熊谷市「産業DXプロジェクト」募集ページで確認できます。問い合わせ先は熊谷市企業活動支援課(048-524-1470)です。

埼玉県の「中小企業DX導入支援補助金」

埼玉県の補助金は、県内事業所でDXツールを導入・活用し、労働生産性の向上を目指す事業者向けです。熊谷市内に本店や主たる事業所がある中小企業・個人事業主も、要件を満たせば対象になり得ます。

2026年度の補助率は対象経費の4分の3以内、補助額は7万5千円以上300万円以下です。顧客管理、予約管理、販売管理、在庫管理、会計、勤怠、生産管理などのツールが導入例として示されています。ツール購入費や利用料、導入に必要な機器費、設置・設定費などが対象になり得ます。

一方、広報用ホームページの新規作成、一般的なDX研修、DX全般のコンサルティング、フルスクラッチのシステム開発などは、原則として対象外の例に挙げられています。補助金の交付決定前に契約・発注した経費も対象外です。導入したいものが制度上の「DXツール」に該当するか、見積もりを取る前に募集要領で確認しましょう。

2026年度は複数期に分けて申請を受け付けており、第3期は9月30日16時までです。申請は専用サイトからのオンライン申請です。募集期間は予算状況などで変更される可能性があります。

最新の対象要件、対象外経費、申請書類は埼玉県中小企業DX導入支援補助事業の公式サイトで確認してください。

国の「デジタル化・AI導入補助金2026」

国の「デジタル化・AI導入補助金」は、旧IT導入補助金を引き継ぐ、中小企業・小規模事業者向けの制度です。自社の課題に合うITツールを導入し、生産性を高める取り組みを支援します。

通常枠では、登録されたソフトウェアの購入費や最大2年分のクラウド利用料、導入設定、研修、保守サポートなどが対象になり得ます。補助額は、1プロセス以上の申請で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下。補助率は原則2分の1以内で、賃金要件などに該当する場合は3分の2以内となる区分があります。

この制度では、導入したい製品が補助対象として登録されているか、IT導入支援事業者と申請できるかを確認する必要があります。個別にゼロから開発するシステムの費用を、通常枠で自由に補助申請できる仕組みではありません。導入候補のツールが決まったら、公式のITツール検索と申請要件を確認してください。

2026年9月26日時点で、通常枠の第5次締切は9月29日17時です。締切直前の申請準備は難しい場合があるため、必要書類や事前手続きが整っているか早めに確認しましょう。ほかの申請枠や次回スケジュールは更新される可能性があります。

補助額と最新の締切はデジタル化・AI導入補助金2026・通常枠で確認できます。

人手不足への設備投資なら「中小企業省力化投資補助金」

ソフトウェア単体ではなく、機械やロボット、設備とシステムを組み合わせて現場の作業を減らしたい場合は、中小企業省力化投資補助金も候補になります。

「カタログ注文型」は、カタログに登録された汎用製品を選んで導入する方式で、随時申請を受け付けています。「一般型」は、個別の現場に合わせた設備導入やシステム構築などを支援する方式で、公募回ごとに申請期間が設定されています。2026年度の一般型第8回は、10月16日17時が応募締切です。

この制度は、単にパソコンやソフトを購入するための補助金ではなく、人手不足の解消や省力化につながる投資を支援するものです。補助額・補助率・賃上げ等の要件は類型や従業員数などで異なるため、中小企業省力化投資補助金の公式サイトで確認してください。

補助金を使わずに相談できる窓口

熊谷商工会議所の専門家相談

熊谷商工会議所では、中小企業診断士やDX推進員などの専門家派遣、定例の個別相談を案内しています。既存業務のデジタル化、自動化、データ連携などを相談でき、オンライン相談も利用できます。相談日や予約方法は熊谷商工会議所の経営相談ページで確認してください。

埼玉県DX推進支援ネットワーク

埼玉県産業振興公社のDXコンシェルジュが、課題の整理、ツール選び、専門家派遣、補助金情報の案内などを行っています。「どこから手を付けるか分からない」という段階でも相談できます。制度選びだけでなく、業務の現状や目標を整理してから導入を考えたい場合に向いています。

窓口の内容は埼玉県DX推進支援ネットワークで確認できます。

どの制度を選べばよい?

検討している内容から、相談先を絞ると次のようになります。

やりたいことまず確認する制度・窓口
熊谷の複数事業者に広がるDXプロジェクトを立ち上げたい熊谷市産業DX推進事業
顧客管理、在庫、予約、勤怠などの既製ツールを導入したい埼玉県DX導入支援補助金、デジタル化・AI導入補助金
機械・設備を含めて人手不足を解消したい中小企業省力化投資補助金
どの業務から改善するか決められない熊谷商工会議所、埼玉県DX推進支援ネットワーク
独自の業務システムを一から開発したい熊谷商工会議所などに相談し、対象制度と自己負担を確認

既製品ツールでは業務に合わない場合や、短期間で業務改善のプロトタイプを作って検証したい場合は、Bloengの高速プロトタイプ開発支援 や 無料DX・Webシステム開発相談 もご活用いただけます。

補助金は、導入したい製品や業務が決まる前に申請先だけを選んでも、適合するとは限りません。まず「今どの作業に時間がかかっているか」「導入後に何を改善したいか」「効果をどう測るか」を整理し、その後に制度とツールを照らし合わせましょう。

申請前に押さえたい注意点

交付決定前に契約・発注しない

制度によっては、申請や交付決定より前に契約・発注・支払いを済ませた経費が対象外になります。導入を急ぐ場合も、契約日や発注日を先に確認してください。

補助対象経費と対象外経費を分ける

同じ「WebやITに関する費用」でも、業務ツール導入、ホームページ制作、機器購入、独自開発では扱いが異なります。見積書の項目を分け、対象経費として認められるか事務局に確認すると、申請後の認識違いを減らせます。

同じ経費を複数の補助金に重ねて申請しない

埼玉県のDX導入補助金では、国・県・市町村など他の補助金と重複する事業は対象外とされています。制度を併用できるか、また同じ事業の別経費なら扱いが異なるかは、申請前に各事務局へ確認してください。

補助金がなくても導入する価値があるか考える

補助金は、導入費用の一部を支援するものです。申請書作成や導入後の運用にも時間がかかります。「補助金が出るから導入する」ではなく、作業時間の削減、入力ミスの防止、情報共有など、改善したい成果を先に決めておくことが大切です。

まとめ

熊谷市の事業者が使えるDX支援は、市の産業DXプロジェクト、埼玉県のDXツール導入補助、国のデジタル化・AI導入補助、省力化投資補助、そして商工会議所や県の相談窓口など複数あります。

市の制度は地域や自社のDXプロジェクトをクラウドファンディングと組み合わせて実施するもの、県の制度は生産性向上につながるDXツール導入、国の制度は登録済みITツールの導入が中心です。制度の名前だけで選ばず、取り組みの内容と申請条件を照らし合わせる必要があります。

まずは業務上の課題を一つに絞り、熊谷商工会議所や埼玉県DX推進支援ネットワークに相談して、使える制度と導入方法を確認してみましょう。

情報確認日:2026年9月26日
補助金の募集期間・要件・予算は変更されることがあります。申請前に必ず制度の公式ページ、公募要領、事務局へ最新情報をご確認ください。